身体のゆがみ

身体のゆがみとはどのような状態を指すのでしょうか？
身体のゆがみの状態や原因についてご紹介します。

●身体のゆがみとは

身体のゆがみとは、背骨のS字カーブが失われた状態です。
人間の身体は骨盤が土台となり、骨盤につながる背骨が軸になっています。
背骨は本来S字カーブを描き、上半身の重みを分散させながら支えています。
しかし、S字カーブが失われると骨盤の位置もズレてしまい、身体がゆがんだ状態になってしまいます。

●原因

・猫背

背中が丸まった状態になり、頭が前に出てしまっている姿勢です。
猫背姿勢では骨盤が後ろに傾いてしまい、背骨のS字カーブも失われます。
デスクワークなど長時間同一姿勢が続くと頭が前に出てしまい、猫背姿勢になりやすいです。

・反り腰

腰が反っている姿勢なので骨盤が前に傾き、腰椎のS字カーブが本来よりも急な状態になってしまいます。
立ち仕事やハイヒールを履いている方が反り腰になりやすいといわれています。

・バランスの悪い姿勢や習慣

身体の筋肉の使い方に偏りがあると、部分的な筋肉ばかり使用してしまいます。
そうすると、身体全体の筋肉バランスが崩れてしまい、身体のゆがみにつながります。
足を組む、片側のみで荷物を持つ、片側重心で立つ、頬杖をつくなどのバランスの悪い動作や習慣は身体にゆがみを及ぼします。

身体のゆがみは全身にさまざまな不調を引き起こします。
身体のゆがみによって引き起こされる不調には、次のようなものが挙げられます。

●肩こり

背骨のS字カーブが失われると、上半身を支える力が分散できなくなります。
重い頭を首や肩の筋肉の力だけで支えることになるため、首や肩まわりの筋肉が疲労してしまい、肩こりが生じるようになります。

●腰痛

腰は身体の土台となる部分です。
そのため、身体にゆがみがあると腰には大きな負担がかかるようになり、腰痛が生じるようになります。

●冷え、むくみ

身体のゆがみによって肩や腰など部分的に負荷が加わり始めると、その部分の筋肉は緊張して硬くなってしまいます。
そうすると、血管が圧迫し血流が悪くなり、冷えが生じるようになります。
また、血流が悪くなると老廃物が排出されにくくなり、むくみも生じやすくなります。

●内蔵の不調

身体のゆがみによって骨盤の位置がズレていくと、骨盤内にある内臓の位置もズレてしまいます。
そうすると、内臓の機能が低下してしまい、消化不良や便秘、生理痛など内臓の不調が現れることがあります。

身体のゆがみを改善するには、身体を整えるための矯正施術を中心に行います。
身体のゆがみに対するおもな施術方法は次のとおりです。

●骨盤矯正

骨盤矯正とは、骨盤のズレや傾きを本来あるべき状態に整えるための施術です。
骨盤は身体の土台になるため、骨盤のゆがみを整えることが身体のゆがみを整えることにつながります。
骨盤矯正では無理に骨を動かすのではなく、筋肉の緊張をほぐしながら少しずつ圧をかけてゆがみを整えていきます。

●猫背矯正

猫背矯正とは、猫背姿勢になってしまっている方に向けた姿勢矯正です。
猫背姿勢の場合、背中が丸くなった状態を筋肉が形状記憶してしまっています。
そのため、硬くなった筋肉を手技療法でほぐしていき、柔軟性を取り戻します。
正しい姿勢を維持しやすい身体の状態にした上で、維持するためのアドバイスやトレーニング指導を行っていきます。

身体のゆがみはさまざまな身体の不調を引き起こします。
不調症状の根本からの改善策として身体のゆがみにアプローチを行っていきます。

●根本の原因へのアプローチ

身体のゆがみを改善するには、ゆがんでしまった身体を整えるための骨盤矯正や猫背矯正を行います。
肩こりや腰痛などの不調がなかなか改善しないという場合、根本から改善しなければ再発を繰り返してしまいます。
そのため、根本の原因となっている身体や姿勢のゆがみを整え、不調症状の改善を目指していきます。

●日常生活に対するアドバイスのご提案

骨盤矯正や猫背矯正で身体のゆがみを改善しても、日常の習慣が改善しないと再び身体のゆがみが生じてしまいます。
そのため、日常生活での姿勢や習慣に対するアドバイスも行っていきます。
また、正しい姿勢を維持するためには筋力も必要になるため、体幹トレーニングやEMSを使用した筋トレの提案もさせていただく場合があります。

身体のゆがみは日常生活で改善することができます。
次の方法でゆがみの早期改善を目指しましょう。

●ストレッチをする

筋肉が緊張して硬くなっていると、硬くなった筋肉によって関節が圧迫され、ゆがみが悪化していきます。
ストレッチをして筋肉の柔軟性を維持しましょう。
とくに肩甲骨まわりは硬くなりやすいので、しっかりストレッチをしてください。

・肩甲骨のストレッチ法

・両肘を曲げて肩よりも高い位置に挙げます
・ゆっくりと両肘を後ろに引いて肩甲骨を引き寄せ、ぐるりと肘を回します
・1回5セットを目安に行いましょう

●体幹を強化する

体幹は姿勢を維持するための大切な部分になるため、日頃から鍛えることが大切です。
代表的な体幹トレーニングには、腕立て伏せやプランク、ドローイングなどが挙げられます。

●ウォーキングをする

ウォーキングは全身を動かして血行を促進できる有酸素運動です。
筋肉の柔軟性を維持することや筋力を高める効果が期待できます。
1回30分を目安に週2回継続できることが望ましいです。

身体のゆがみを起こさないようにするには、日頃から予防を心がけることが大切です。
ゆがみを改善しても再発することもあるため、ゆがみの予防を行いましょう。

●正しい姿勢を維持する

姿勢が悪い状態が続けば、背骨のS字ラインが失われて骨盤にゆがみが生じてしまいます。
日頃から正しい姿勢を維持することを心がけるようにしましょう。
立ち姿勢では、耳の穴・肩・くるぶしが一直線になることを意識すると正しい姿勢を維持しやすいです。

●同じ姿勢を長時間続けない

デスクワークなどで同じ姿勢が長時間続くと、姿勢が崩れやすくなります。
崩れた姿勢が続くと、筋緊張により身体のゆがみが起こる原因になります。
合間に休憩を挟み、姿勢を変えたりストレッチをしたりして筋肉をほぐすようにしましょう。