鍼灸

鍼施術は、東洋医学の考え方に基づく施術です。

東洋医学では身体には気が流れていて、その気が漏れやすい箇所あるいは反応が大きく出やすい箇所として経穴(ツボ)があると考えます。
その経穴(ツボ)を刺激する方法として鍼施術があります。

経穴(ツボ)は、500円玉ほどの大きさで全身に約361か所あるといわれています。
この500円玉ほどの範囲に鍼で刺すことで、皮膚や筋肉に刺激を与え細胞の活性化を促します。

また全身に広がっている経穴(ツボ)は、経絡という道を通して内臓とつながっており、この道は気血の通り道だといわれています。
そのため、経絡を通して患部ではない部分に施術をおこな場合もあります。

鍼施術では専用の鍼を経穴や経絡に刺していきます。
非常に細いハリであるため、痛みは少ないとされています。※ただし痛みには個人差があります。

また、ディスポ鍼と呼ばれる使い捨ての鍼を使用する接骨院が多くなっているため、感染症などの心配はありません。

鍼には2000年以上の歴史があるといわれていますが、考え方や手法は時代とともに進化していきます。

現在は鍼パルスと呼ばれる手法もとられるようになっています。
低周波パルスを通電させる施術で、電気によって、筋肉の緊張の緩和などを目指すものです。

腰痛でお悩みの方などに多く使用されています。

お灸もまた、鍼と同じく、東洋医学を基本としています。
今出ている症状だけではなく、未病に対しても効果があるとして注目されています。
なお未病とは、病気に至るまえの状態だが、病気に向かっていっている状態を指します。

お灸施術には、モグサを使用します。
モグサはヨモギの葉っぱを乾燥させて、さらにその葉っぱの裏側部分だけを集めて作ります。

そのモグサを経穴や経絡上に置いて燃やすことで熱刺激を与えていきます。
燃やすと聞くと強烈な熱さや火傷などが心配になるかと思いますが、身体の内側からじんわりとした温かさを感じていただける方が多いです。

●痛みの軽減

鍼灸によって身体を刺激することで、内因性オピオイドと呼ばれる特定のホルモンがよく放出されるといわれています。
このホルモンは、痛みを抑える効果があるため、痛みの軽減が期待できます。

●血行促進

鍼やお灸で刺激をおこなうと血管が広がり血流が促進され、血行不良により発生していた肩こりや腰痛などの改善が期待できます。

また、血液の流れが促進されることで老廃物が排出されやすくなりむくみの改善にも効果的です。

●自律神経を整える

経穴(ツボ)を刺激することで、自律神経のバランスが整い自律神経の乱れによる
「睡眠障害」「めまい」「動悸」「不安感」「疲労感」などの不調の改善が期待できます。

また、自律神経は消化器の活動を調整しているため、交感神経と副交感神経のバランスが整うことで
便秘や下痢などの消化器系の不調改善に効果が期待できます。

●免疫力を高める

白血球が増加され、感染症などにかかりにくくする効果があるといわれています。

●しびれなどの改善

鍼灸の刺激で興奮作用を引き起こし、動きを活発にすることでしびれ症状の改善に効果が期待できます。

鍼灸は、身体の不調だけではなく、心の不調にも効果が期待できる施術です。
また、免疫力を高めることで病気を防ぐ効果も期待できます。