坐骨神経痛

坐骨神経とはどのような神経であり、坐骨神経痛ではどのような症状が現れるのでしょうか？

●坐骨神経とは

坐骨神経は、腰からお尻、ふくらはぎを通って足のつま先までつながる末梢神経です。
人間の身体には神経が全身に張り巡らされていますが、坐骨神経はもっとも太くて長い神経だといわれています。
末梢神経は身体の情報を脳へと伝える役割があり「身体を動かす」「感覚を脳へ伝える」「内臓を動かす」といった身体の機能をコントロールしています。
坐骨神経の場合、下半身の動きや感覚などの情報を脳へ伝える役割を担っています。

●坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、坐骨神経が圧迫や刺激を受けることで生じる症状の総称です。
坐骨神経が腰から足のつま先までつながっているため、腰やお尻、太もも、ふくらはぎなど神経が圧迫された部分に痛みやしびれ、下肢の運動障害が現れることがあります。

坐骨神経痛の症状や発症する原因についてみていきましょう。

●症状

・軽度

腰やお尻、足にかけての違和感を覚えることがありますが、常に違和感があるわけではありません。
痛みやしびれを感じる場合もありますが、軽度の症状であることが多いです。

・中等度

長時間の同一姿勢が続くと、下肢に痛みやしびれが生じることがあります。

・重度

下肢に歩けないほどに痛みが生じ、筋力の低下や感覚異常、排尿障害をともないます。

●原因

坐骨神経痛は、腰やお尻まわりの筋肉が緊張して硬くなり、神経を圧迫することで生じます。
長時間座ったり立ったりすると症状が出やすいのは、腰やお尻まわりの筋緊張を起こし、神経の圧迫が強まるからです。
おもに不良姿勢などによって身体にゆがみがある方や加齢により筋力が低下してしまっている方などに発症することが多いです。

坐骨神経痛は、病気やケガの症状の1つとして現れることもあります。
坐骨神経痛をもたらす病気には、次のようなものが挙げられます。

●腰部脊柱管狭窄症

神経の通り道の脊柱管が狭まることで神経が圧迫される病気です。
脊柱管は背中から腰を通るため、坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛が生じることがあります。
腰を反らすと脊柱管が狭まるため、坐骨神経痛が起こりやすいです。
加齢による骨や靭帯の変形が原因で生じます。

●腰椎椎間板ヘルニア

椎間板に亀裂が入り、髄核が外に飛び出すことで神経を圧迫する病気です。
外に飛び出した髄核が坐骨神経を圧迫すると、坐骨神経痛が生じます。
腰に負担のかかる動作で痛みが悪化しやすいです。
スポーツや力仕事、不良姿勢など日常の腰への負担が原因で発症します。

●梨状筋症候群

お尻の筋肉である梨状筋が硬くなり、坐骨神経を圧迫していることを梨状筋症候群と呼びます。
デスクワークや長距離運転など座っている時間が長い場合や運動不足による筋力の低下が原因で発症します。

●脊椎・脊髄のがん

脊椎や脊髄に腫瘍（がん）があると、腫瘍が坐骨神経を圧迫して坐骨神経痛が生じることがあります。
強い痛みやしびれ、背中が曲がるなどの症状が現れます。

●骨盤内のがん

骨盤内に腫瘍（がん）がある場合も坐骨神経痛が症状の1つとして現れることがあります。
股関節あたりに痛みが現れやすく、その他にも下腹部の痛みや月経痛、排尿障害などが生じることがあります。

あい鍼灸・接骨院 泉中央院では、坐骨神経痛のつらい症状を緩和するための施術と、根本の原因から改善を目指すための施術を行います。
坐骨神経痛には、次のような方法でアプローチを行います。

●手技療法

腰やお尻まわりの筋肉が硬くなって坐骨神経を圧迫しているため、硬くなっている筋肉を手技でほぐしていきます。
また、身体にゆがみが生じると腰やお尻まわりには負担がかかりやすくなります。
筋肉の柔軟性を高め、身体のゆがみを整えることも可能です。

●鍼灸

鍼灸は、つらい坐骨神経痛へ即効性が期待できます。
鍼の刺激で筋肉をほぐすことや痛みをブロックすることで痛みの緩和につながります。
また、お灸では温熱効果によって血液循環がよくなり、筋肉の緊張を和らげて神経の圧迫をゆるめます。

●超音波

超音波には温熱作用と非温熱作用があり、坐骨神経痛には温熱作用でアプローチしていきます。
温熱作用では温めることで筋肉の緊張をゆるめ、頑固なこりもほぐすことが可能です。

坐骨神経痛は、根本原因にアプローチしなければ痛みが再発してしまいます。
あい鍼灸・接骨院 泉中央院では根本からしっかりと改善を目指すための施術を行っていきます。

●深部のこりの解消

鍼灸や超音波施術を中心に、身体深部でこり固まっている箇所にアプローチします。

●浅部の筋肉の調整

手技を中心に身体の表層近くの筋肉のバランスを整えていきます。

坐骨神経痛の症状が現れた場合、早期から対処することが大切です。
なぜならば、坐骨神経痛は病気やケガの症状の1つとして現れることがあるからです。
坐骨神経痛を発症した場合には、次のように対処しましょう。

●保存療法

坐骨神経痛の症状に対する対処として、基本的には保存療法を行いましょう。
痛みを覚えるときには無理をせず、安静にしましょう。

●ストレッチをする

軽度の坐骨神経痛の場合、痛みの出ない範囲でストレッチを行うことがおすすめです。
ストレッチによって硬くなった筋肉の柔軟性が高まることで、痛みの緩和が期待できます。
ゴルフボールをお尻で踏んで転がすと、お尻の筋肉の緊張をほぐすことにつながります。

坐骨神経痛は、日常の習慣が関係して発症することも多いです。
そのため、日頃から予防を心がけて身体のケアを行いましょう。

●身体を温める

身体を温めると、緊張した筋肉の緩和につながります。
腰やお尻まわりは日々の生活動作で疲労が蓄積しやすいです。
そのため、一日の終わりには入浴して身体を温め緊張をほぐすことが有効です。

●運動をする

運動不足になると筋力が低下し、腰やお尻に負荷がかかりやすくなってしまいます。
日頃から運動を習慣的に行うことが大切です。
ウォーキングや簡単なトレーニングで腰やお尻、足まわりの筋肉を動かしていきましょう。
適度な運動によって血流促進や筋肉の柔軟性向上が期待できるため、予防につながります。

筋力が低下することで症状がみられやすくなるため定期的な運動を心がけましょう。